陶芸家として全国各地で個展を開催する、渡邉陽子さん。
さまざまな技法や手間をかけてひとつの作品を表現していく、渡邉さんの財布との関係性とは? —早速お話を伺わせてください。
「今、家計用の財布としてメインで使用しているのは「メルロ」の長財布です。
「ヒロコ ハヤシ」の財布はもう15年くらい愛用していて、これで5代目。
自分用の財布は「DAMASCO」(ダマスコ)のライトグレーですが、かなり使い分けています。
家計用「メルロ」にはカードがたくさん入っていますが、自分の財布「ダマスコ」はカードを厳選して少なく。
使い方についてこだわりがある、、、というよりは、
1年くらい使ったら少し休ませて、次の財布に変えるようにしています。
あまりハードに使わないように、休ませてあげることですね。
私の個展のお客様にも、「ヒロコ ハヤシ」を好きで使っている方がすごく多いんですよ。」
—ありがとうございます!それはすごいですね。
「財布の話ですごく盛り上がるんです。やっぱり好きなものが近いというか、、、
「労を惜しまない」のが伝わってくるのが魅力的で、長い間少しずつ集めているんですよね。」
—渡邉さんの作品も本当に緻密で、時間をかけて作っているのが伝わってきます。
「「ものづくり」ということで共通する部分は多いですよね。
陶芸でも、イメージが浮かんだら、制作方法を検討していきます。
土自体に顔料を練り込んだり、「上絵」といって、
釉(うわぐすり)をかけて焼いた上から鮮やかな色を付けたり。
そして方法を決める際に、「取り入れるとさらに良くなること」があれば、
たとえそれが遠回りだったとしても、その方法を手順に加えるのです。
それは面倒な手順だったりもしますが、それを省くと、行きたいところにたどり着かない。 自分が感動できるまでやり抜く。
そこまですると、感動が伝わった時にうれしさが倍増しますし、
それがものづくりの醍醐味ですよね。
その一瞬のために、普段は一人で黙々と作業している気がします。
レコードのモチーフをあしらった「MUSK」の財布もすごくお気に入りで、
ひとつひとつに個体差があって、お店でいくつか同じ商品があった中から、
ピンと来たものを選びました。
丁寧に作っているからこそ出る個体差、陶芸も一緒だなと思います。」
—次に狙っているものはありますか?
「最近はキャッシュレスの支払いも多いので、小さなサイズの財布を検討しているのと、
次回の個展に向けて、両手が空くショルダー付きのスマホケースとかも気になりますね。」
—渡邉さんの財布に対する優しい扱いや考え方が、
ご自身に撮影していただいた写真から伝わってくるようです。
ものづくりをしているからこその視点で語られるお話は、愛に満ちあふれていました。