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40ct&525、2024AW立ち上がり最初のDENIMシリーズをご紹介致します。
今回はなかなか垣間見れない、菊池氏(通称:タケ先生)と共にセッションしながらモノづくりが進んでいく制作背景を聞くことができました。
商品はもちろん、モノづくりに携わっているお二人のトークにも注目です。
デザイナー
天野俊介
2017年にTAKEO KIKUCHIの開発デザイナーに着任後、TAKEO KIKUCHIと40ct&525の両レーベルを担当。タケ先生と仕事をしたい思いとタイミングが一致して40ct&525専念のデザイナーに。沢山の経験を経て現在は両レーベルを担当している。
パタンナー
小澤允
2018年にTAKEO KIKUCHIを担当。当時の社長や商品開発部のリーダーにタケ先生と直接仕事がしたいと熱望し、40ct&525をメインでパタンナーに携わっている。
525DENIM
ジャケット ¥69,850(税込)
ベスト ¥39,600(税込)
パンツ ¥39,600(税込)
神野:まず、今回の企画がどのように決まったのか経緯を知りたいのですが。
天野:切り替えジャケットは過去にもジャズネップデニムとかでもやっていて、カジュアル寄りなフォルムだったものを、タケ先生が今年はスーツのようにかっちり作りたいと。先生はもともとテーラードをやりたい意思が強くて。
小澤:いままでのデニムだとどうしてもカバーオールが限界でカジュアルになりがち。
今回こそは、ちゃんとテーラードにしたい、してあげたいって。
ここの思いを優先して仕上げられるような色んな組み合わせ(縫製工場、取り扱いが慣れてる素材、パターン、縫製仕様など連動するもの)を綺麗に揃えたいと色々模索しました。
そして、このバランスを考えて素材を選定し直すことを提案してタケ先生に納得してもらいました。
タケ先生は譲れない部分はちゃんとあり、その良し悪しもちゃんと伝えてくれる。
ある程度方向性を示した上で反応、受け入れて編集作業をしていってくれるので、常に楽しくセッションしています。
小澤:ジャケットはライディングジャケット。19世紀頃のジャケットがまだない時代。昔はコートでそこから進化してテーラードになったんですが、その進化前のなごりといった感じ。
私もですが、タケ先生もメンズクロージングが好きでアンティークからの発想、イメージが残っているなと思う。
小澤:今回のベストはジャケットに連動させてVゾーンを深めにしたり、従来の40ctのベストよりタイトにして今回の答えとしてはこのサイズ感なのかなといったところ。デザインは絵型がないので、過去に取り入れなかったデザインをせっかくなので使いたいなと思いまして。このまるでフラップがついているような箱ポケットはいわゆる飾りなのですが、遊びがきいたデザインはヴィンテージによくあるので取り入れてみました。4つつけるとよりクラシックでアンティークな雰囲気に。
小澤:後ろもバックルを外してマチやスリットを選んで着心地よいものに仕上げました。
天野:先生からも「いんじゃない?」って。
小澤:そう!ちゃんとタケ先生に許可もらえましたので。
そして、実はベストの内側にもポケットをつけました。男性はバッグを持つよりこういうところにちょっとしたものを入れてもらってバッグ代わりにもなる今までにない収納力抜群のベストが出来上がりました。
神野:着た感じのシルエットの雰囲気は?
小澤:大まかな着た感じは前回の受注生産のファンシーツィードに似たようなサイズ感、フォルムにしています。
パターンメイクには一定のレシピがあるのですが、それは共通にしながら匙加減を調整していく感じなので着たイメージはあの感じです。
神野:一定のレシピとは?
小澤:パターンメイクってパタンナー個人のものなので、個人の財産といった感じです。自分が身につけたパターンメイキング、そしてトワル作成したたものをタケ先生にプレゼンして評価してもらうのです。服を作る工程でトワルチェックが1番大事かもしれないですね。
神野:なるほど。小澤さんの中にあるレシピがあるわけですね。
神野:さらに深堀らせていただいて、トワルチェックとはどんな感じで進められているのですか?
小澤:シーチングを活用して試作品の一歩手前のを、仮で作っていくんです。そして、着用して本番の生地、縫製工場のことなどもイメージをわかせながら、タケ先生とお互いにあーしていこう、こーしていこうとテコ入れしていく作業をトワルチェックというのですが、先生はかなりチェックが厳しいです。
タケ先生も1番大事にしているところで必須なので、しっかり時間をかけています。そこでそれぞれの品番の適正なパターンメイクを探していく、調べていくっていうのかな、それが商品に反映されています。
天野:先生は最先端のものをすぐ取り入れてるアンテナの高い方ですが、服作りに関してはきちんと基本を大事にするし、厳しいですよ。
今回は実際にタケ先生とモノづくりをしていく上での工程が伺える貴重な時間をいただけました。
本店のアトリエで先生とモノづくりチームが真剣に、たまに談笑しながら会話している姿はとても格好良い時間だなと思います。
タケ先生の頭に描いたものをどう具現化するかを先生はまわりを頼りながらチームで作り上げていく、店頭と少し一致するところがあってしびれました。
(後編へ続く)