TAKEO KIKUCHIのチーフデザイナー藤原が毎度お届けしている名物ブログ「スーツのすゝめ」。
今回は「スーツのすゝめSP（スペシャル）」と題し、【前編】【後編】に分けて、プレスの中村と共に2024年秋冬の新作スーツの紹介やこだわりを徹底解説！
【前編】では新作スーツの解説に加え、合わせたいシャツやネクタイ、ニットについて2人が熱く語ります。

中村：まだ7月で夏も真っ只中ですが、いよいよ秋冬アイテムのご紹介ですね！
秋冬ってやっぱり洋服の醍醐味が味わえる季節ですよね。

藤原：春夏もいいけど秋冬はやっぱり洋服が一番愉しい季節だよね。

中村：今回は藤原さんの名物ブログ「スーツのすゝめ」を一緒に進行させていただくわけなんですが、秋冬の新作スーツは展示会でも見ましたけど、素材感、色柄共にTAKEO KIKUCHIのオリジナリティあふれる新鮮なものが多かったように感じます。


藤原：そうだね。今回もかなり時間を掛けて、色々な方やメーカーさん、生地屋さんに協力してもらって作り上げたからね。自信をもっておススメできるラインナップになっているよ。

中村：今日はそれら新作スーツのお話を沢山聞けるとの事でとても楽しみです！
それでは早速、新作のおすすめ教えて下さい。

藤原：まずは今季リニューアルしたシャドーオルタネイトストライプから紹介するね。
秋冬シーズンから柄のピッチを時代感に合わせて微妙に修正したんだけど、柄は英国式にcm（センチメートル）ではなくinch（インチ）で計算してストライプピッチを出す事で、着用したときにシャープでスタイリッシュな印象を持たせるように工夫したんだ。

藤原：形はTAKEO KIKUCHIで定番的に人気を博しているブリティッシュモデル。
肩のシルエットと胸の張りがしっかり構築されたスタイルに仕上がっているんだ。
柄の雰囲気ともあいまって誠実さや信頼感を感じさせてくれる1着だね。
ナチュラルなストレッチ感がある生地を使用しているから着心地の良さも特徴だよ。

中村：シンプル見えするからビジネスにもいいですね。柄も織り柄だから主張しすぎず、かといって地味な感じのしない、ちょうど良い塩梅で品の良さを感じる佇まいですね。

藤原：英国式に出した微妙な柄のピッチ修正が実はすごく効いているんだよね。

中村：本当に絶妙な表情で、シンプルになりすぎず、しかも、Vゾーンの作り方次第で印象を変えられるから初めてのスーツにももちろん、スーツを好きな方にもオススメできる奥の深い1枚ですね。
コーディネートってどう考えてますか？

藤原：ビジネスを想定してシンプルに、清潔感のある白シャツがいいね。
ネクタイは今季の注目ネクタイカラーでもある「ミスティーブルー」のシャドーソリッドをさして、シンプルにさっぱり仕上げたスタイリングなんだけど、ネクタイの独特な落ち着いた色味でスーツを引き立てる事で他とは違うTAKEO KIKUCHI らしさを表現してみたよ。

中村：ベーシックなブルーやネイビーもいいですけど「ミスティーブルー」は、色のトーンが割と明るいのに、なんていうか落ち着きも感じられる大人の色味で気取りすぎてなくて良いですね。

藤原：そうなんだよね。色を出すのに苦労したよ。

中村：鮮やかなのに落ち着いているっていうか、、しかも難しい色ではないから合わせやすそうなのもポイントですね。
新鮮なVゾーンを表現できる新しいベーシックという感じがします！

藤原：そうだね。ネイビーにはもちろん、グレーやブラックのスーツにも幅広く合わせられるユーティリティー性も兼ね備えた色だから、今季是非試してみてほしいね。

藤原：次に紹介するのが、日本の伝統的な建築柄をアレンジしてスーツに落とし込んだ千本格子スーツ。
あくまで控えめで大人の男性に相応しい品のある柄行きなんだけど、それと同時に日本のブランドであるTAKEO KIKUCHIらしい、柄への意味の持たせ方も意識した1枚になっているんだよね。

藤原：日本を代表する尾州の山栄毛織様で特別に作ってもらったオリジナル生地を使用していて、TAKEO KIKUCHIにしかない唯一無二のスーツだよ。ブラックはフォーマルシーンにもオススメの1枚だね。


中村：日本のブランドとしてそういった意味を持たせる服作りが、僕のTAKEO KIKUCHIの本当に大好きな部分の一つです！
一人の大人として、カッコいいだけでなく、背景や意味のある洋服にやっぱり惹かれるんですよね。
この千本格子の柄にはどんな意味があるんですか？

藤原：千本格子は、よく昔ながらの日本の家屋の門戸なんかに使われている柄で細かいマス目の格子が邪気や厄を寄せ付けないという意味を持っているんだよね。
柄の美しさはもちろんだけど日本の伝統柄にはその柄の意味や役割もあって、それをモダンに、そしてベーシックにスーツへ落とし込んだんだ。

中村：すごいな。そのコンセプトもまさしく唯一無二ですね。他では探せないですよ。
しかも和服ではなくて洋服にそれを表現するって。
でも本当に上品で控えめなベーシックな見え方ながら、しっかり柄が生きてますよね。
こちらもおすすめのコーディネートを教えてください！

藤原：このスーツに合わせるのは1着目と同じくビジネスを意識してシャツは白、ネクタイは、こちらも今季注目ネクタイカラー「ブラウン」のストライプが良いと思うよ！

中村：ブラウンってベーシックなカラーなのに通勤とかで見ていると意外とつけてる人少ないですよね。
実はすごく使いやすくて洒落て見えるのに。

藤原：そうそう！意外とね。
ただ、洒落て見えすぎるのも悪目立ちしちゃうから、実はブラウンの色味や配色にも結構拘ったんだよ。

中村：人が気づきにくい絶妙なところついてきますね～(笑)

藤原：まあそういう仕事だからねデザイナーって(笑)
でも、このネクタイの色と配色のバランスは我ながら抜群だね。

中村：おー！！藤原さんが抜群って言うんだからこれはマストで持っておかないと！！

藤原：千本格子とストライプタイのシンプルでスマートな柄の組み合わせだけど、芯の強そうな、まさしく日本的な美しさと精神性を感じさせてくれるよね。

藤原：次はスーツのインナーとして、シャツタイ以外で是非お勧めしたい「ニット」を紹介するね。
まだ時期的には少し早いんだけどスーツのインナーにニットはとてもおススメなんだよね。
あまりカッチリしないでサラッとスーツを着れるから、秋冬のON/OFFスタイルでスーツを着るにはインナーはニットがいいよね。

中村：スーツにタートルニットのコーディネートなんかは、落ち着いていて知的な印象になりますよね。
それでいて大人の色気も感じます。しかも着ていて楽ちん！

藤原：そうなのよ！キレイに知的に見えて、さらに着心地も楽なんてすごく良いよね。
さらに最近ではスーツのドレスダウンでの着用がトレンドでもあるから、是非試してみて欲しいんだ。

中村：たしかに。スーツの着こなしの幅も広がりますね。
仕事にはもちろんですが、ちょっとしたお出掛けやお食事にもスーツなのに肩肘張った印象でなく、こなれた印象を与えてくれますよね。

藤原：うん、良い感じに力が抜けていてリラックスして見えるよね。
しかもスーツって上と下が同じ生地でしょ？ニットだけ合わせてあげれば、それでもうスタイリングは完成だからコーディネートも簡単だよ。
スーツに合わせる新作ニットならオススメは断然アンピリニットだね。

中村：素材感も上品なうえにちょうど良い肉感だから1枚でももちろんですが、スーツにも合わせやすそうですね。

藤原：しかもイージーケアだから言うことなしだよ。　

中村：ニットって結構気を遣うアイテムでもあるのでイージーケアは助かりますね。

藤原：今年の秋冬は是非、スーツのインナーにニットを合わせてみて欲しいね。
本当に楽ちんで簡単なのに、とても良く見えてトレンド感もあるおススメのスタイリングだよ。

中村：今年の秋冬は是非トライしてみていただきたいですね！

藤原：じゃあ次は、ドーメル生地とTHE FLAGSHIPのスーツを紹介しようかな。
今回もこだわってるよ～中村君大好きなやつ(笑)

中村：うわー！！すごい気になります！